婚活

結納とか派手な結婚式とか、あーゆーこと、やりたくないのよ

本稿『婚活資本主義のオンナ考』の読者女性に感想を求めたところ既婚者を中心に肯定的な評価は意外と多い。婚活女性の一部だけがその言葉尻に過剰に反応して攻撃的なメールを送ってくる。あのね、本稿に八つ当たりしても結婚はできませんよ。

 

あたしだってはったおしてやりたい

「まず、女性が読んだらムカつくのではないかと心配してらっしゃったけど、そんなことはないと思います。そんなトホホオンナが身近にいれば、あたしだってはったおしてやりたい」

 

本稿を一通り公開し、それに対する感想を求めていたところ、こうした肯定的な評価は意外と多い。

 

読者諸氏からのメールをみると、とくに男性読者の場合、「そういうオンナと付き合ったことがある」という人は多かった。

 

女性の場合、既婚者の多くは冒頭のような主旨の感想を寄せてくれることが多く、婚活女性の一部だけが、その言葉尻に過剰に反応して攻撃的なメールを送ってきている。

 

もしかしたら、そういうメールを送ってよこす人は、思い当たるフシのあるトホホさんなのかもしれない。

 

本稿に八つ当たりしたって仕方ないんですよ。

 

理想の結婚相手を見つける方法

 

さて、ある読者の感想を、以下一部抜粋させていただこう。

 

「結婚式についていろいろ述べてらっしゃいましたが、私は結婚式とか結納は一切しませんでした。婚姻届を役所に出しただけです。友人たちには非常にうらやましがられました。みんな、あーゆーこと、やりたくないのよ、ほんとは。けど、まあ大体において、周囲(親とか、親戚とか)を納得させるためにしぶしぶする、っていう人が私の周りには多かったです。お仕着せでない、面白いパーティをやった友人もいましたが、そういうことするのって、普通より労力をつかうので、なかなかむずかしいみたいです」

 

前に私が書いた無自覚なトホホオンナの結納夢想に対する批判を、彼女は自らの体験と意見で裏付けてくれた。

 

ここには既婚者としての説得力がある。

 

「既婚者だからこその余裕の発言なんだ」と独身者は思うかもしれないが、後学のためにそのリアリティは受け止めておくべきではないか。

 

さらに、圧巻は次の件である。

 

「お仕着せ」でない価値観、自覚的な評価

「ちなみに私の夫はいわゆる『三低』ですが、私は彼を尊敬しています。学歴とか、そういったものは私の方があったりしますけど、人間的にはすごくできた人で、いつも教えられることが多いです」

 

私は、この「ちなみに……」以下が無性に気に入っている。

 

自分がこの人の連れ合いでもないくせに、何か照れくさいような嬉しいような浮き浮きした気分になってしまった。

 

「お仕着せ」でない価値観、自覚的な評価を配偶者にできるというのは、幸せなことではないだろうか。

 

といっても、貧乏な人、学歴のない人を選ぶことこそが美徳だ、という意味ではないので誤解しないように。

 

つまり、世間の価値観に白紙委任するのではなく、自分の価値観と信念と愛情に拠ってお連れ合いを「尊敬」し、「人間的にはすごくできた人」と表明する態度がすばらしいということである。本当に立派なことだ。

 

本稿は、婚活に熱中する結婚相談所の女性会員だけでなく男性会員、さらには読者諸氏の意見やモニタリングなど、多くのヒアリングの機会をもとに作成しているが、そこで実際に話をしたり、もしくは間接的に話を聞いたこれまで登場したトホホオンナたちには、婚活も結構だが、相手に対する慈しみや敬意という、人間尊重の発想に欠けているように思われる。

 

inserted by FC2 system