婚活

「結婚しない女」「できない男」論を横行させるな!(1)について

結婚相談所に入っている男女の比率をご存知だろうか。実は5対5ではない。女性がやや多く、6:4ぐらいではないかといわれている。にもかかわらず、女性の未婚者は結婚に失望して結婚していないが、男性はしたくてもできないといわれている。

 

男があぶれているのか?

婚活、なる言葉が使われるようになったのは最近の話だが、結婚したい(のにできない)人たちがいる、というのは前からあったことだ。

 

そして、これも以前からだが、巷間、結婚できない男たちがあぶれているという向きがある。

 

「結婚の相談に訪れるのは男性が七割、お見合い後に断るのは『女性から』が七割」と「相談取り扱い状況」を報告している宇都宮市の女性・結婚相談所のようなところは以前からあり(「朝日」九三年十月十六日付)、今も続いている。

 

婚活において、そういう「選んでいるオンナ」「選ばれないオトコ」という現象を以て、数年来言われている男性の結婚難はますます深刻といった書き方である。

 

「オトコあぶれ」論を喧伝する女性識者もワンパターンの気炎を上げ続けている。

 

だが、こういう婚活論は、よくない意味での判官贔屓といえやしないだろうか。

 

なぜこんなことを書くのか。そういう論調がバッコすることは「結婚しない女」論のひとり歩きにつながる。それはまず第一に、実は幸せな結婚をしたいのに、その道筋が展望できないだけの女性の立場に立っていない。いわゆる「高望み」の馬鹿さ加減を目覚めさせることができない。

 

また、結婚に自己実現を展望していない(つまり結婚願望のない)女性が、「ハナもちならない奴」という誤解を受ける。さらに男性からは女性に接近しにくくなる。あーあ、そんなヨタ飛ばして誰がいい思いをするんだ。

 

だからいってんだ。そんなくだらない皮膚感覚のデマはやめろ! 

 

現に、そういうマスコミや識者の論調を批判する書物も出てきている。

 

オンナを無謬化、虚像化するのは、もういいかげんにしたらどうだ。そんな婚活論は、あまりに空疎じゃないか。

 

さて、結婚相談所を切実なものとしているのは、端的に言って男性なら「三高」ではない額面の男性たちが多数派である。

 

もしくは、この競争社会の中で受験勉強ばかりにエネルギーを費やし、異性とのコミュニケーションがいつのまにか苦手になってしまった人々である。

 

だから彼らは、たとえば四十歳まで異性のつきあいがなかったり、セックスの仕方を知らなかったりと、その意味ではたしかに異性とコミュニケーションのできない(させてもらえない?)「ダメオトコ」といえるのかもしれない。

 

「シンデレラコンプレックス」そのものの人たち

一方オンナ会員のケースは、むしろオトコ会員と比べると対照的といってもいい。

 

彼女たちは、恋の一つや二つや三つや四つや五つ以上(!)は経験済みの、むしろ巷間の女性一般よりは男性遍歴の豊富な人々が入会していることが多い。中にはバージンもいるが、いずれにしても一人の男性と愛を育み「ゴールイン」できない人であることに違いはない。

 

「シンデレラコンプレックス」そのものの人たちである。

 

結果的に次から次から男性をとっかえている海千山千(?)のオンナと、何も知らないオトコというのが、相談所の主たる構成になってしまう。実際に、こうしたケースではオトコの方が何度も何度も見合いを申し込み、女の方がその多くを「何となくのらない」と断っている。

 

しかし、それをもってオトコがだらしないと責められるものでもない。

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